食べ吐きほど、楽しいものはない!?
「摂食障害が治る。。。」って、どういう状態になるのか、考えたことがありますか?
治るって、
・症状がなくなること?
・ちゃんと食べられるようになること?
・いわゆる標準体重になること?
そもそも、「ちゃんと」とか「標準」の基準ってなんでしょう?
そんな疑問を持ったことは、ありませんか?
結論から先にいうと、摂食障害が治るということは、症状がなくなることでもなければ、ちゃんと食べられるようになることでもないです。
これは私の考えであり、お医者さんの治療のなかでの完治の基準があるとすれば、それとはまた別のものだととらえて下さい。医学的な基準の話ではないことを前提として、書いています。
私の経験だけで、摂食障害を語ることはとうていできませんし、お一人お一人に違う回復のプロセスがあります。回復者の一人である橋本の意見として、読んで頂けると嬉しく思います。
摂食障害で悩んでいる方の中には、「フツーに食べたい!けど、やっぱり。。。ヤセていたい!」って思っていて、治したいけどヤセたカラダはこのまんまがいい!って望んでいる人もたくさんおられると思います。
かつての私は、とにかくフツーにご飯を食べられるようななりたかった。でも、太るのだけは、絶対にイヤ!って思っていました。
まず、私が考える「治る」の定義とは、
「自分で自分のことを受け入れられるようになること」としています。
摂食障害が「治る」とは、
・症状のあるなしではない。
・症状とは別のところにある。
という考えをもとに話を進めていきます。
症状がなくなること=治る
であるならば、症状をなくすことに意識が向きます。
症状がなくなることは、あくまでも結果であって、今までの生きづらさが楽になった結果として、症状が必要ではなくなったのだ、と私は考えます。
ですから、回復に必要なことは、今までの自分の生き方を振り返って、自分の生きづらいところを探して、そこを変えていって、結果として自分がが楽になることです。
「楽になる」って聞いて「怠けている」とイメージした方は、楽をすることに対する罪悪感があるのかもしれないですね。
「食べ吐き」は快楽!ですが、真の問題解決策ではありません。一時的に気持ちのバランスを取るための手段に過ぎません。
「食べ吐きとは別の方法」を探していく!と「決める」といいですよね。決めたからってすぐ良くなるわけではないですが、この「決める」!ということで気持ちに変化が生まれ、次の行動につながっていきます。
自分のこれまでの生き方に面と向き合って、勇気を持って自分の抱えてきた生き辛さを変えていくのが真の回復であると、私は考えます。
ましてや、標準体重なんて全く関係ありません。健康的な体重の基準は確かにありますが、健康的な体重だからといって、心の状態が健康的とは限らないからです。
摂食障害で入院して、強制的に食事を取らされて体重だけ増やして退院したとしても、また激ヤセして再入院してきた人を私は何人も見てきました。
そういった、表面的な数字で測れる体重や食べた量などに振り回されないことが大事!
じゃあ、一体なにが大事か?
それは、「自分の気持ちとちゃんと向き合うこと」。
もっとしっくりくるいい方で表現すると、「自分の気持ちをちゃんと見てあげること」「自分の気持ちに寄り添うこと」といえます。
体重の増減や症状のあるなしに一喜一憂しないで、そんなことは後回しでいいから、とにかく、今、自分はなにを感じているのか?そのことに注意をむけること。
自分が今感じている感情を、ちゃんと受け入れてあげること。そして、その気持ちをどのようにあつかうか?
これが、一番大事。
このことは、自分にしか出来ません。
要は、自分を粗末に扱うのをやめて、他人軸から自分軸に人生をシフトすること。
摂食障害で苦しんでおられる方は、本当に多いです。特に若い方が増えているのが、特徴的です。
「食べ吐き」が習慣化して、何年も続いてしまっている方もたくさんおられます。
ここでいう「食べ吐き」とは、「過食嘔吐」のことです。「食べたものを意図的に吐く」ことです。私の場合は、これが一つの快感となり習慣のようになっていました。
食べずにいられない。
そして、
吐かずにいられない。
これが習慣化していて、やめようと思ってもなかなかやめられない。
どうすれば、過食嘔吐をやめることができるか?
このことが私にとって人生最大のテーマでした。
今では、過食嘔吐の症状は全くありません。
自分と向き合って、本音を認めて受け入れたから、症状が必要ではなくなったのだと分析して理解しています。
本音の気持ちを聴いてくれる相手の存在も、かなり大きかったです。
私の場合の相手は、専門家の先生でした。
まずは、自分の本音に気づいてあげることがスタートです。
今、自分の心はなんていっている?
耳を澄ませば必ず聞こえてくる。
食べ吐きほど楽しいものはない!
でも、まやかしの快楽は、やがて虚しさになって、その虚しさを埋めるために、さらに食べて吐く!
そんな自分を、決して自分だけは見捨てないでいてあげることです。