マイルールに囚われて、身動きがとれない人への処方箋
マイルールって、「自分で決めたお約束ごと」のことなんですが。。。
このマイルールをキチンと守る!ことができてしまうのが拒食症、守れなくなってしまったのが過食症、守れなくなったのにズルしてごまかしているのが過食嘔吐です。
マイルールを決めてやる!ということは、何か目的があるからだと思います。
例えば、「出かけるときには必ず左から先に靴をはく」というのもそうだし、「英語の勉強を毎日1時間する」というのもそうですよね。
摂食障害になる人は、わりとキチンと物ごとをやりたい人が多いのだと感じています。
すべての摂食障害の方を調べて、データを集めて分析したわけではないので、事実かどうかは分かりません。
ただ、自分はどちらかといえば几帳面なタイプだと思う人は、マイルールに囚われてしまう可能性が大きいです。
マイルールが守れている時は、当然ですが心は比較的に安定しています。「自分が決めたルールを守れている」ことで得られる「安心感」ってかなりウェイトが高いです。
でも、マイルールが守れない時もありますよね。
例えば、体調が悪かったり、やる気がおきなかったり、イレギュラーなことがおきたり。。。
そんな場合にマイルールが守れなくなります。
こんな時が、摂食障害の症状が発動しやすい状態です。
「安心感」は、自分が自分でいるためには必要不可欠です。なぜならば、「安心感」の反対=「不安感」を抱えていることに、耐える力がないからです。
したがって、一つでも、マイルールが守れない事態になると、もうパニックになって日常生活が前に進みません。
そんな時に大急ぎで安心感を得るために、手っ取り早いのはダイエットだったりします。
もっというなら、ダイエットでやせたからだは、安心感を得るためのヨロイですね。
体重が減るのを数字で確認できて、なおかつ他人からは、やせたねー♡!!!って関心をもってもらって、ほめてもらえるのですから。
これは、もう、やめられない!
ハマります!
やせることや、食べものを吐いて胃のなかを空っぽにしておくことで、偽りの安心感を得られるからです。
摂食障害の人、特に拒食症の人にとって、「安定や安心」はとっても大切なキーワード。
なぜなら、その心理状態で生きることが最も生きやすいから。
もっとかみ砕いていうと、自分がコントロールできる範囲を生きている!という感覚や実感がないと、とても不安になるからです。
大人になるにつれて、自分でコントロールできないことにぶつかる場面が増えてきます。
今までは、自分だけの努力や頑張りでうまくいっていたことも、そうはいかなくなります。
学生の時は、勉強やスポーツは、自分の努力や頑張りでなんとかなる部分が多いです。でも、社会人になって会社で仕事をしたりすると、自分だけの努力や頑張りでは、どうにもならないことも増えてきますよね。
そのどうにもならない事の最大が、実は対人関係!
嫌な上司や同僚・部下がいる。ほかにも、仕事の内容が自分に合わないとか、まかされた仕事がうまくいかなかったとか、いろいろな問題にぶつかります。
学生であっても、クラブ活動などは他者との関わりをさけて通るわけにはいきませんし、恋愛なら相手とガッツリ向き合っていかないと楽しくないです。
うまくいっている時はいいですが、そうでないときもありますよね。
対人関係だと相手に対して、自分の意見を言わないとならない時もあります。意見が対立するような場面で、受け入れてもらえれば問題ないけれど、そうでなかったらどうしよう⁉︎って思いますよね。
怖い!って感じませんか?
そんな時に、その不安感からのがれて安心できる居場所として、自分の身体をコントロールすることを選ぶわけです。
他人は意見を言いますが、食べものは自分に意見を言いません。
やせることは、自分で自分をコントロールできている唯一の実感として、自分はいつも勝者~winner!であり続けることができます。この快感を一度味わうと、もうやめられません!
この、最大のマイルールを手放していくプロセスが回復です。
マイルールは、その人の個性でもあり、その人らしさでもあります。なので、決して悪いのもではないと思います。
ただ、摂食障害で苦しむほどの、かたくななこだわりを少し緩めてもいいのではないでしょうか?
では、どうすればこの強固なマイルールを手放すことができるのか?
自分なりに問いを立ててみるといいですね。
答え=処方箋は、人それぞれ違うと思います。長くなったので次回の記事に書きますね。
To be continued…